緑内障の検査

緑内障とは、網膜上に映った像を脳に伝える「視神経」が障害される病気です。
緑内障というと、一般的に眼圧の上昇で起こることが知られていますが、眼圧が正常な場合におこるタイプもあります。


 検査方法

 慢性の緑内障を診断する際に重要なのが、「視野検査」と「眼底検査」です。

■視野検査

コンピュータを用いた「自動視野計」などで、どれだけ弱い光が見えるかを測定して、視野の範囲を精密に調べます。
視野検査を行うと、測定図に視野のかけている部分が黒く示されます。
健康な人の場合、「マリオット盲点」という部分だけが黒くなります。
ここには視神経乳頭があって、光りを受け取る網膜の視細胞が存在しないため、もともと見えないのです。
ところが、緑内障の人では、マリオット盲点以外にも、黒い部分が多くなります。

■眼底検査

「倒像鏡」と呼ばれる検眼鏡や、レンズを装着した「細隙灯顕微鏡」などで、瞳孔から眼底を観察し。視神経乳頭やその周辺の神経線維の状態を調べます。
正常な視神経乳頭は、真中が少しくぼんだドーナツ状になっています。
このくぼみを「乳頭陥凹」といいます。緑内障が障害されると、ドーナツの”穴”にあたるくぼみが大きくなり、そのぶんドーナツの”輪”が細くなります。
また、神経線維が薄くなると、網膜に黒い影となって現れます。


 治療方法

緑内障によって、いったん障害された視神経は、残念ながら元の状態に戻すことはできません。
視神経が障害され、その部位に対応した視野が失われてしまうと、その視野を回復させることはできないのです。
したがって、緑内障の治療目的は、「病気の進行をくい止めること」で、眼圧を下げる方法を検討します。
まずは、点眼薬を主体とした薬物療法を行い、眼圧をコントロールします。
点眼薬で眼圧のコントロールがうまくいかないときには、レーザー治療や手術を行います。

■薬物治療

点眼薬を主体とした薬物療法が基本になります。
治療に使われる薬は、「房水が作られるのを抑えて眼圧を下げる薬」と、「房水の排出を促進して眼圧を下げる薬」の2つに大別できます。
さらに、この2つのタイプのなかに、薬の効く部位や作用のしかたが異なる薬が複数あります。
効果をみながら、作用の違う薬を組み合わせて点眼を続け、眼圧をコントロールしていきます。

■レーザー治療

レーザー治療には主に二つの方法があります。
一つは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変える「レーザー虹彩切開術」というもので、多くの原発閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。
虹彩に孔を開けるときにレーザーを使用します。
もう一つは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するための「レーザー線維柱帯形成術」です。
一部の原発開放隅角緑内障に効果があります。レーザー治療の痛みは少なく外来で行うことができます。

緑内障手術2


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